場面緘黙症・うつを乗り越えて。30代からはじめる自由で幸せな生活への道

知らぬ間にうつ状態に。


 あれ、なんか落ち込み方が尋常じゃない、と気が付き始めてから、4ヶ月になります。今年の1月あたりから食欲が少しずつ落ち始め、夜も眠れなくなっていました。その時は、無職でずっと家にいたし、運動量が減っているから、食欲も落ちて、眠れなくなっても当たり前だと思っていました。それから、1ヶ月後には、食欲がまったくなくなり、夜も朝の3時ごろにやっとうとうとして、2~3時間でまた目が覚める、という感じでした。このころには、手足が震え、いてもたってもいられない不安感にさいなまれていました。体重がぐんぐん減り始めていましたが、仕事が決まればすべて解決すると思い、病院には行きませんでした。

 3月末に、内々定を2社からいただきました。A社に、来月から働かせていただきたい旨のお返事の電話をしました。そして、そのすぐ後、B社にお断りの返事のお電話をしました。今、思えば、A社での電話口での様子に違和感があったので、B社への返事を少し待つべきでした。数時間後、A社は、今どきそんなことで、という理由で内定を留保してきました。私は、友人や家族とも相談し、A社で働いても肩身が狭く辛い思いをするだけだからと、お断りすることにしました。せっかく内々定をいただいた2社ともを自ら蹴る形で、無職期間はさらに先延ばしとなりました。

 4月に入ると、気候はますます陽気になり、草花が芽吹いてきます。テレビでは、「新入社員が~」や「お花見が~」というニュースが流れ、自分の惨めさを増長させるようでした。季節が移り替わると、時間の流れを感じさせます。無職期間が長くなることによって心象が悪くなり、ますます内定をもらえなくなるのではという不安が募っていきました。手足は震え、動悸が止まらず、吐き気がして、不安やイライラや恐怖、形容できない種々様々な負の感情が沸き上がり、発狂するような気がしました。でも、そんな気力も体力も残されていなかったのです。もう限界でした。この世からそっと消え去りたい気分でした。私は、4月のはじめに心療内科に電話を入れ、通院を始めました。

 うつになった原因は何だったのか。転職に失敗してはいけないというプレッシャーだったのかもしれません。私には周りの期待に応えようとするところがあります。見栄っ張りでプライドが高くて、弱さを見せるのが怖い人間です。失敗を極度に恐れる完璧主義的傾向が、こうした結果を生んだのだと思います。そして、私は自分では怠け者だと思っていたのですが、働くことが好きだったということにも気が付きました。私は、働くことで社会に貢献しているということに自分の価値を見出していたのだと思います。だから、何もしていない今の自分が許せないのです。

 退職してからの数ヶ月、私は自分を追い込み、階段を全速力で駆け下りていることに気が付きませんでした。どこかで、立ち止まっていたら、こんな風になることもなかったのかな、とも思います。しかし、過ぎ去ったことを後悔しても仕方のないことです。今の状態になったことは必然であり、自分を見つめる時間を与えてもらったのだと考えています。