考えろ!考えるな!
「考えろ!考えるな!」そう言われたら、戸惑います。さっき、テレビを見ていたら松岡修造が出ていて、松岡修造の謎のメッセージとして、この言葉が紹介されてました。確かに矛盾した謎のメッセージ...。
松岡修造にとって、何も考えないことは悪なのだろう。しかし、考えすぎて頭の中がぐるぐる回るのがよろしくないそうで、だから、考えるな、という事らしいです。考えないことはダメだけど、だからと言って考えすぎも良くないから、「考えろ!考えるな!」
私が思うに、松岡修造は、非常にセンシティブな人。意外に感受性が強い内向型な人ではないかと思うんです。通常、感受性の強い人は、感情の起伏が人よりも激しいから、幼少期に自分の感情をコントロールする術を身に付ける。それが行き過ぎてしまうと、私のように場面緘黙症になったりするわけです。
ところが、松岡修造の場合は、インプットもすごいけど、アウトプットもすごい。こだわりが強すぎる人の場合だと、抑えきれずに言動や行動に感情が出てしまう場合があります。私もそうなのですが、我慢が限界に達すると、堰を切ったように感情が爆発してしまいます。松岡修造の場合は、堰を切るハードルが低い、もしくは、ハードルが高かろうが軽々と飛び越えてしまってるかで、感情表現が爆発しているのではないかと思うのです。
この人のすごいところは、テニスの指導者として子どもたちを叱ったりしてますけど、負の感情を表には見せないというところです。松岡修造が怒っているように見える場面というのは、叱るという行為をしているときだけで、それは指導的立場として、ある種の演技や感情のコントロールの下に行われているように思います。つまり、テレビ画面を通しては、基本的に本気の怒りや哀しみは見せていないのではないかと思うのです。
私は、このブログをリアルの世界でつながりのある人には完全秘密で書いています。なので、何をどう書こうが全くの自由なのですが、それでも普段のくせが出て、良いかっこしいで前向きな事ばっかり書いてます。ブログの中でも感情を抑制して、温和で穏やかな人間を演じようとしているのです。松岡修造も自分と似た内向的で感受性の強いタイプの人間なのでは、と思うのはこの点なのです。
通常、感情表現の豊かな人というのは、喜怒哀楽すべての感情が平等に表出されます。しかし、松岡修造の場合は、喜と楽は表出していますが、怒と哀は表出されていません。私のような不器用な人間とは違い、喜と楽だけ感情のリミッターを外し、コントロールの外に出しているのではないでしょうか。
松岡修造という人は、こだわりが強くて、頭の中が絶えずぐるぐる回転していて考え込むタイプ、内向型の人間なのだと思います。努力型のネガティブ人間の性として生まれてくるポジティブ発言がブレイクしてしまい、世の中的にポジティブ人間としてのお面を被せられているのかもしれません。内向的な人は時として、思考に囚われ、後にも先にも進めなくなってしまいます。だから、内向型人間から出た言葉としての「考えろ!考えるな!」は、しっくりくるし、格言ともなりうる深い言葉です。ネガティブ人間の気持ちがわかるからこそ、彼のポジティブ発言は魅力があると思うのです。